国道352号 Part 2 樹海ライン(檜枝岐~魚沼)走行記録

走行予定日:2018年10月26日

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前回までのあらすじ:

352号Part 1:国道352号 Part 1(上三川~檜枝岐)走行記録 - お休み処 定休日

燧ヶ岳:燧ヶ岳 登山レポート(御池コース→長英新道) - お休み処 定休日

 国道352号走破のため、栃木県上三川町から福島県檜枝岐村までを走り抜いた私・定休日とSwarmer氏。道中、東北最高峰「燧ヶ岳」の登頂を目指す。右靴の尊い犠牲を経て、遂に念願だった燧ヶ岳への登頂を達成した我々は、いよいよ国道352号の真骨頂「樹海ライン」へと向かったのであった...。

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AM10:00。

燧ヶ岳登頂の余韻も冷めやらぬまま、我々は国道352号「樹海ライン」へ向かった。

国道352号は、全国でも10本の指に入る「酷道」として知られている。352号が酷道と呼ばれる由縁は、この樹海ラインにある。樹海ラインは、センターラインなし、ヘアピンカーブありのとんでもない道路で、沢水が道路上を横断する「洗い越し」があるのが特徴である。

 

意気揚々と樹海ラインに向かう我々。しかし、国道352号走破の野望は呆気なく途絶えてしまう。

 

 

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「平成301019日~

 国道352号 御池駐車場先

 擁壁工事のため

 通行止になります。」

 

 

・・・。

 

 

人の夢が途絶えるのは、いつだって呆気ないものなのかもしれない。

かくして我々の国道352号走破計画は、失敗に終わった。

 

冬季閉鎖の情報は確認していたし、通行止になるのはまだ先だと知っていた。だが、擁壁工事とは盲点だった。工事規制の確認を怠った私の責任だ。おそらく工事が終わったらそのまま冬季閉鎖に入り、今年はもう通れないのだろう。これでは一体なんのために上三川まで行ったのか分からない。

 

仕方がないので、前日通った道を引き返して日光まで戻り、ロマンチック街道を通って沼田まで抜けたのち、三国峠を越えて柏崎へ向かった。この大迂回は、時間的にも精神的にも大きな損失となった。

 

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だが、実は私はちょうど1年前の10月に樹海ラインを走っている。

その時の写真が残っていたので、何とかこの記事を書くことができそうだ。

少々卑怯だが、時間差をおいても一度走ったことがあればOKという甘々ルールで走破を目指すことにする。

 

そういうことで、まずは1年前にタイムスリップする。

 

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2017年10月18日。

この日、私は仙台を出発し、磐梯吾妻スカイライン五色沼、大内宿を経て、樹海ラインへ向かっていた。

 

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磐梯吾妻スカイライン

 

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五色沼

 

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大内宿

 

この旅程については、後に研究室の面々から「寄り道しすぎ」とお叱りを受けた。私は当然これらの場所も「目的地」として行ったのだが、研究室の皆様には「お前のような人間が、五色沼みたいな一般人のための観光地で時間を使うべきではない」と言われてしまった。流石は弊研究室、手厳しいねぇ…。

 

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とにもかくにもここまでの寄り道で、檜枝岐村に到着したのは15時を過ぎていた。日が暮れる前に樹海ラインを抜けたい。2017年8月にオープンしたばかりの道の駅・尾瀬檜枝岐で小休憩をとり、急いで樹海ラインへ向かう。

 

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御池駐車場を過ぎると早速センターラインが消え、1車線の狭隘な区間が始まる。ここから40km以上、センターラインの姿を見ることはない。御池から新潟県境までは直線的な線形の道路区間が多いため、意外にもすんなりと到達できる。だが、ここまではほんの序章に過ぎない。樹海ラインの酷道たる由縁は新潟県側にある。

 

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県境をなす川と並走して奥只見湖へと向かう。部分的に道路改良が行われているようで、1車線ながら走りやすい箇所もある。だがそれも長くは続かない。遂に酷道352号の真骨頂が姿を現す。

 

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樹海ライン名物「洗い越し」だ。路上河川とも呼ばれており、道路の上を河川が横断する。河川の上に橋を架けるのが費用的に見合わない場合にとられる方法で、逆に道路の上に川を流してしまおうという発想だ。全国的には珍しいが、樹海ラインにはこの洗い越しが無数に存在する。

 

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「もはや滝だろ」とツッコみたくもなる。

 

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洗い越しの数に比例して「路面凹凸注意」の標識も多数存在する。川が流れる部分をわざと凹ませているのだ。この標識は「警笛鳴らせ」と並び、道路改修が進むにつれ撤廃されつつある絶滅危惧標識だ。しかし樹海ラインに限っては、橋が架けられない限りこの標識が撤廃されることもないだろう。二輪車が河川に突っ込むイラストと「沢水注意 段差注意」と書かれた看板が付随しているのが樹海ラインの特徴である。

 

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樹海ラインは、奥只見湖の湖岸に沿って小刻みにカーブしながら走っている。湖岸と言っても割と湖面から高い位置を通っており、遠目に見るとよくこんなところに道路通したなと感心せざるを得ない。

 

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御池駐車場から1時間半ほど走ると、やっと奥只見湖が見えてきた。

 

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銀山平のトンネルから、奥只見ダムに至る「奥只見シルバーライン」に突入する。

ここから再び1年後にタイムスリップする。

 

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1年後。

2018年10月26日。

タイムスリップ前の1日後に戻ってきた。

国道352号の起点である新潟県柏崎市のホテルに泊まった翌日。Swarmer氏の熱い要望に応え、前日に行くのを諦めた奥只見ダムに行くことになった。

 

思えばSwarmer氏との旅行で、予定した計画通りに行動できた試しはほとんどない。そして最近分かってきたことだが、彼は前日に諦めた予定を次の日に挽回しようとする癖があるらしい。次の日は次の日で既に予定が決まっているにも関わらずだ。そのため当初の予定は大幅に乱れ、旅行後半になるにつれ、やるべきことがどんどん増える。

これに関しては、そもそもが旅程に無理があるのかもしれない。私もSwarmer氏もあまり計画力がある方ではないことは自分達が一番知っている。だが、最終日にレンタカーの返却が間に合うかどうかの問題で、いつも肝が冷えるのだ。

 

愚痴が長くなってしまったが、とりあえずシルバーラインを通って奥只見ダムに向かう。シルバーラインは全長20kmにも及ぶ素掘りのトンネルで、ダム開発のための工事用道路として建設された道である。長くまっすぐなトンネルの先に、水力発電所としては日本一の発電出力を誇る奥只見ダムが姿を現す。

 

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「秘境奥只見」。

小雨が降っているが、紅葉が見頃だ。

 

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ダム資料館からの眺望。奥只見ダムは日本一高い重力式ダムでもあり、総貯水容量は日本第2位(2018年現在)である。

 

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1年前は時間切れで入手できなかったダムカードも今回は無事に入手できた。

 

奥只見ダムを後にし、国道352号線に戻る。樹海ラインもいよいよ大詰めだ。といってもここからが結構長い。

 

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樹海ライン最後の難所・枝折峠(しおりとうげ)を越える。峠を過ぎるとやっとセンターラインが復活し、道路は魚沼市中心部の小出地区に至る。樹海ラインという愛称の道路は、小出地区で幕を閉じる。

 

国道352号はその後も、長岡を通って柏崎まで続いているのだが、生憎そろそろ帰らなければ、レンタカーの返却時間が迫っている。

今年度の352号走破プロジェクトは、これにて終了だ。

 

魚沼市から国道252号を通って仙台への帰路につく。

 

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国道252号「六十里越」。偶然にも、レア路線である只見線の電車と並走することになった。

 

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田子倉ダム只見駅に寄り道。会津坂下ICから磐越道に入り、磐越道東北道で仙台へ。レンタカーの返却時間はやっぱりギリギリになった。

 

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この日の移動ログはご覧の通り。

 

 

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おわりに

 

国道352号を走破する」という当初の計画は頓挫し、結果的に魚沼~柏崎間にミッシングリンクが残ってしまった。また、枝折峠は雲海・滝雲の名所でもあるという事を知らずにスルーしてしまったことに対しても悔いが残る(といっても元々時間的にも不可能だったのだが)。これに関して「Part 3」があるのかどうかはまだ分からない。今年は既に多くの道路が冬季閉鎖されてしまっているため、あるとしても来年度以降の投稿になるだろう。

期待はせず、生ぬるい目で見守ってください。