国道398号 走行記録
走行日:2019年10月19日(土)
国道398号起点・石巻市門脇交差点。国道45号から分岐して始まる。
国道398号は石巻市内では、石巻駅前の中心街を形成する。45号が幹線道路の役割を果たすのに対し、398号は市内の商店街や石巻駅へのアクセスとして利用されていると思われる。
中心市街地を抜け、女川町に向けて東へ進む。女川は石巻のベッドタウン的な役割を持つ町であり、この2つのまちを結ぶ398号は非常に重要な道路であるといえる。一方で、女川と石巻を結ぶ道路はこの1本しかないため、交通量は比較的多く、通勤時間帯にはそれなりに混雑するらしい。
女川に向かう途中、398号は2本に分岐し、一方は女川駅へ、他方は牡鹿半島方向へと向かう。JR石巻線の高架下を通るこの交差点は、女川へ向かう交通のボトルネックになっていると昔どこかで聞いたことがある。
石巻線の終点・女川駅に立ち寄る。駅には温泉や土産屋、展望台が併設されている。
女川駅から太平洋へは、駅前商店街「シーパルピア女川」が延びている。女川駅の展望台からは、元旦の日の出がちょうど商店街の先の海から登るように設計されているらしい。
女川駅のタクシー乗り場には「平行駐車」の標識が設置されているが、この標識は最近まで宮城県内でしか目撃例がなく、しかもその数は4つ程度と極めて珍しい標識である。
女川駅前を過ぎると、398号は北へと向きを変え、再び石巻市(旧雄勝町)に入る。女川町と旧雄勝町を結ぶこの区間は「リアスブルーライン」と呼ばれている。
リアスブルーラインはカーブが多く見通しも悪い。区間の一部は線形改良されており、走行時にトンネル工事が行われている箇所もあった。
石巻市中心部や女川町から北へ向かう道路には、内陸部を通る国道45号があり、海沿いを蛇行する398号は交通路として選択される道ではない。女川・南三陸間の地域間交通として重要な道路とされているが、現在では一旦石巻に出て三陸道(無料区間)を通ったほうが早いため、走ることを主目的にでもしない限り、この区間を利用する意味はないだろう。
旧雄勝町と南三陸町との境に、神割崎という名勝がある。ここはこの旅程の中で、もし天気が良ければ日の出を拝もうと思っていた場所だ。
割れたような2つの巨岩の隙間から日の出を拝むことができるのは、10月の僅かな期間のみらしい。
南三陸ホテル観洋。
南三陸町に入り、国道45号と合流する。45号との重複区間では、398号の名は影を潜める。
南三陸さんさん商店街。この交差点を左折し今度は西へ。再び398号単独区間となる。
ここから登米市東和町米谷までは、三陸自動車道と並走するかたちとなる。三陸自動車道は無料区間なので、わざわざ下道を走る必要はなく、交通量は少ない。
道の駅三滝堂に到着。
三陸自動車道の三滝堂ICを降りてすぐの場所にあり、コンビニも併設されているため、高速道路のサービスエリアのような使い方もされている(おそらくこの道の駅の利用者の殆どは、高速道路を利用して来た者だと思われる)。
北上川を渡ってからは、342号、346号とそれぞれ重複、分岐をして栗原市へ向かう。一の関の「の」が小文字になっている珍しい青看板を見つけた。
その後、国道398号は北西に進み、奥羽山脈を越えて秋田県に至る。しかし、国道4号との交差点を過ぎたところで、衝撃の事実が発覚する。
・・・ん?
えっ
なんと、国道398号は先日の台風19号の影響で、県境区間が全面通行止めとなっていたのだ。
各地で甚大な被害が出たことは言うまでもないが、まさかこんな所にまで影響が出ているとは想像できず。
事前の調査不足が露呈するかたちとなってしまった。
仕方がないので、岩手県一関市を経由して秋田県に入ることにする。
寄り道その① 厳美渓。
「空飛ぶだんご」が有名な、言わずと知れた岩手の観光名所だ。
寄り道その② 須川高原。
岩手県側は霧が凄くて景色が見えなかったが、秋田県側は紅葉が見頃を迎えていた。
秋田県に入り、国道398号に復帰。
国道398号・秋田県側の通行止め看板。
寄り道その③ 小安峡。
小安峡には不動滝という滝があることを事前に調べて知っていたが、案内所に着いた時点で凄まじい轟音が聞こえてきた。
小安峡・不動滝。
この凄まじい濁流はきっと大雨のためだろう。
看板のサイズに対して文字が異様に小さい青看板を尻目に、寄り道を続ける。
寄り道その④ 川原毛大湯滝。
「温泉の滝」という珍しい代物なのだが、入湯するには10月の気温では少し寒過ぎた。水温も夏場の水道水くらいだった。
川原毛地獄。このあたりも紅葉が見頃だった。
そして寄り道その⑤ 大曲花火・秋の章。
この寄り道をするために国道398号を走行することを決めたと言っても過言ではない。本末転倒のような気もするが、とにかくそういうことだ。このブログは(一応)国道の走行記録の記事なので、花火の写真を載せるのはこれ1枚だけにするが、全国に名を轟かせるだけあって素晴らしい花火大会だった。
大曲花火の余韻を愉しみつつ、国道398号に復帰するため湯沢まで戻る。県境のところで通行止めだったため、トレースはできないと分かっているのに、自分は何をやっているんだろう?そんな風に考えてしまったら国道マニアは負けだ。
いよいよ青看板に終点である由利本荘の文字が現れる。
しかし、湯沢・由利本荘間の国道398号は以外とカーブが多く、酷道というほどではないが決して走りやすいとは言えない線形であった。
最後の峠を越え、由利本荘市に突入。
東由利で国道107号と合流し、その後終点までは重複区間となる。重複区間では国道398号の看板は見られない。合流後の区間はこの地域では「国道107号」という認識であり、それで問題ないのだろう。
終点である国道7号との交差点が見えてくる。
国道398号終点・由利本荘市水林交差点。
この交差点は国道105号の起点でもあり、107号・108号・341号の終点でもある。このように国道の起終点が集まっているのを見ると、由利本荘も交通の要衝なのだと実感する。青看板には主要な100番台のおにぎりマークしか書かれていないが、それでも3つ並んだおにぎりは壮観だ。
国道398号・ルートレビュー。
未走行区間を残す結果となってしまったが、これにて国道398号の走行記録は終了。
この日は終点の目の前のルートインに泊まり、次の日の国道108号走破に備える。
国道108号 走行記録に続く。→