秘境・赤岩駅に行ってきた(2018年6月16日)

2018年の春は道路改修に泣いた季節であった。

南東北酷道といわれる多くの道路が、冬季閉鎖の長期化に加え、改良工事を行っていたことから、思うように走りたい道路を走れなかったのである。

 

そんな中、私が赤岩駅について知ったのは全くの偶然であった。

最近のy〇utubeは、利用者の趣味を反映して「あなたへのおすすめ」を表示してくれるらしい。その「あなたへのおすすめ」に、赤岩駅は忽然と現れた。おそらく「廃墟」とか「人里離れた集落」とかで動画を漁っていたからそうなったのだろう。駅の近くに数軒ながら民家が残っているため、全面通行止になっている可能性は低いと考え、この駅を目的地に設定した。

 

赤岩駅は、2016年12月に通年通過となった幻の駅である。おそらく東日本で5本の指に入る秘境駅なのだが、いわゆる「休止駅」であることから、秘境駅ランキングにすら順位が載っていない(殿堂入りと考えるのが妥当だろう)。私自身この駅を知ったのは最近のことなのだが、鉄道マニアのデミ男氏ですら「怖いから行かない」と言うほどの駅なので、相当の代物なのだろうという事だけは知っていた。

 

今回の旅行は私のほかに、冬の竜飛崎で大活躍した女王氏と、新メンバーであるSwarmer氏の合わせて3人でアタックした。

女王氏のプロフィールが気になる方は、以前の記事をご覧いただきたい。

竜飛崎・階段国道の冬季到達可能性に関する検証(往路) - お休み処 定休日

Swarmer氏は、今年度から弊研究室に仲間入りした期待の新人である。酷道険道に関する豊富な知識を持ち、持ち前のフットワークで活路を切り拓く、まさに来るべきして弊研究室に来た人財だ。位置情報アプリ「Swarm」を使いこなす "スワマー" である。

 

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午前9時に仙台を出発する。使用した経路は概ね以下のとおりだ。

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宮城県丸森町から福島県伊達市に抜ける県道102号を通って目的地に向かう。

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県境付近は幅員も狭く樹木が茂っており、所々で路肩が崩壊しつつあった。

 

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路肩注意の標識は初めて見たが、なかなか珍しいのではないだろうか。最近は道路標識にも興味が湧いてきた。

 

福島市街を通過し、さらに進む。山神神社という小さな神社を過ぎると、いよいよ赤岩駅へと続く山道が始まる。

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駅の手前(といっても歩いて30分程かかると思うが)にある大平という集落までは、分岐・合流のない一本道が続くため、道に迷う心配はない。青色の注意標識など見たことがないが、県や市が独自に設置したものだろうか。幅員こそやや狭いが、終わってみればガードレールも設置されており、さほど酷い道とは感じなかった。しかしそれはこの後に通った恐怖のデスロードにより上書きされてしまったからでもあるのだが、、、。

 

大平集落を抜け、ダートの道に突入する。私は元々ここで車を降りて歩いて行こうと考えていたのだが、Swarmer氏は「無理そうだったら引き返します」と言って運転を続行した。それじゃあまあ...ということで車で行けるところまで行くことになったのだが、、、

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普通この時点で「無理そう」と思わないだろうか?

ガードレールが設置されていない1車線のダート道など走りたいと思わないのだが、私がおかしいのだろうか?ハンドル操作を誤れば崖下へ真っ逆さまである。

 

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高く生い茂った雑草が車体を撫でる。轍が存在することから車で来た者がいることは確かなのだが、、、。

 

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なんとかデスロード区間を抜けることができた。車の中にいながら命の危険を感じたのは久しぶりだ。そして理解した。彼らに「無理」という概念などなかったということを。

 

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そんなこんなで赤岩駅に到着した。

 

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ホームへ渡る踏切には進入禁止のロープが張られている。遮断機が下りる日はおそらく二度と来ないだろう。

 

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赤岩駅の特徴は、スイッチバック遺構のトンネルがあることだ。左側が通ってきた道で、振り返るとトンネルの上を走っていたことに気付く。

 

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草木が生い茂っているものの、トンネル入口まではなんとか行くことができる。トンネルは奥が壁になっているようで、話し声が山よりはっきりと木霊する。

 

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タイミングよく山形新幹線を撮影することができた。

 

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とんでもない場所へ行ったことで、また一つ強くなれた気がする。いや、まったく気がするだけだが。

 

復路へ続く→ 

秘境・赤岩駅から帰ってきた(高畠町・鳩峰峠経由) - お休み処 定休日