蔵王の御釜クライム 2018 ファイナル

10月から研究室に新たに留学生を迎え、その歓迎を兼ねて有志のメンバーで蔵王御釜に行ってきました。本記事はそのレポートになります。

 

写真提供:OKAMAクライマーズの皆様

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決行日:2018年10月29日(月)

 

仙台から蔵王御釜のある刈田岳までは、車で約1時間半程度でアクセスできる。

麓から山頂付近に至る「蔵王エコーライン」は11月から冬季通行止めとなったため、2018年最後の御釜アタックということになった。

 

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正午過ぎに仙台を出発。仙台市内が好天であるにも関わらず、山に向かうにつれ雲がかかり始める。時折雨粒がフロントガラスを叩く。聞けば宮城県が好天の時、山形県は悪天であることが多く、蔵王山系は山形の天候を引き継いでいるらしい。

それでも高度を上げるにつれ、木々は美しい色づきを見せてくれた。私たちが訪れた日は、蔵王エコーラインの入口付近にある「三階の滝」展望台付近で紅葉が見頃であった。

 

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観光地として名高い蔵王だが、山頂に至る道のりは必ずしも容易とは言えない。蔵王エコーラインは片側一車線が確保されているものの、ヘアピンカーブの連続であり、酔止め薬があるならばそれに越したことはない。 

 

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PM2:00。刈田岳山頂に到着。風が強く、霧がかかっている。

 

そしてこれが、宮城が、日本が世界に誇る「御釜」の姿だ。

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なんにも見えない!!!

 

いや、山頂の駐車場に着いた時から薄々気付いてはいたのだが、本当に何も見えない。想像以上に何も見えない。しかも山頂の気温はマイナス2℃。寒い。風強い。寒い。

 

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途方に暮れて山頂付近を歩き回るOKAMAクライマーズ一行。「御釜を見ながらご飯でも食べたいね」なんて言ってたけど、到底そんなことできる状況じゃない。

 

いや、俺たちはまだいいよ。過去にも来たことあるし、寒さにもある程度は慣れてるからね。でもさ、赤道直下のインドネシアからやってきて、この未曽有の寒さの中、ただ霧を眺めるしかない留学生の気持ちも考えてみて下さいよ。いくらなんでも不憫すぎるでしょ。

 

(あぁ…せめて一瞬でも御釜が顔を出してくれたらなぁ…)

そんなことを考えていると、にわかに突風が発生し、わずかながら霧を吹き飛ばしてくれた。

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吹き飛んだ霧の隙間から仙台平野が姿を見せる。

「女心と山の天気は変わりやすい。」K先生の言葉を思い出す。まだだ。まだ諦めるには早すぎる。

 

寒空の中、その時が来るのを信じて風を待つ。

「寒い~」「もう帰ろうよ~」と嘆くデミ男氏をなだめながらどれほど待っただろうか。遂にその時は訪れた。

突風が御釜にかかる霧を吹き飛ばす。そして、、、

 

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見えた!!!

山の神様は私たちを見捨ててはいなかった。一瞬ではあるが、たしかに霧の隙間から御釜が顔を出した。(やっぱり無理かな…)と思っていた矢先だっただけに、姿を現した時は感無量であった。霧の中に浮かぶ御釜。それもまた美しいものである。待った甲斐があった。

 

強風は霧を吹き飛ばしてくれると同時に、私たちから容赦なく体温を奪っていく。御釜の姿を目に焼き付けた私たちは、即座にレストハウスに避難した。レストハウスにはストーブが設置されており、甘酒や玉こんにゃくを販売している。冷えた体に温かい料理は沁みる。

 

だいぶ長いこと山頂にいた気がするが、日が暮れるのも早いためPM3時過ぎには下山開始。山麓遠刈田温泉「神の湯」で足湯に浸かることに。

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 足湯から上がったらなんか足が軽いような気がするな~と思っていたら、みんな同じことを思っていたらしい。足湯って凄いんですね。

 

PM6:00、仙台に帰還。

意外とやらない多人数での旅行だったけど、たまにはこういうのも良いなぁと思いました。

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OKAMAクライマーズの皆様、ありがとうございました。