空の駅・餘部駅
兵庫県北部に「空の駅」と呼ばれる場所がある。
地名の表記は「余部」だが、同じ兵庫県内にある余部駅(よべえき)との重複を避けるため、「餘」という難読漢字が使われている。
訪問日
2019年3月5日(火)
餘部駅の場所
豊岡駅から電車(山陰本線)で約1時間。兵庫県の日本海側の海岸沿いにある。
電車の本数は1日10本ほど。
山陰本線の中でも、兵庫県の日本海側を海岸線と並走する区間は多くの秘境駅を有する"秘境区間"となっており、隣接する鎧駅、久谷駅とともに、この餘部駅もまた秘境駅ランキング(秘境駅へ行こう!)にランクインしている。
近くには「道の駅 あまるべ」がある。道の駅の駐車場に車を停め、空の駅を目指す。
余部橋梁は、平成22年に旧余部橋梁に代わって架けられた橋で、景観美、設計、施工方法の観点から、今後の橋梁工学の発展に大きく寄与すると評価され、平成22年度の土木学会田中賞を受賞した。
2017年に完成した「余部クリスタルタワー」というガラス製のエレベーターを使って、空の駅へとアクセスする。
「余部クリスタルタワー」全景。
駅のホームは集落のある地上から約40メートルの高さにある。このタワーができたことにより、余部集落の住民が長く急勾配な坂を上り下りして駅へとアクセスする必要はなくなった。
エレベーターの中から撮影。直下の集落と日本海を望む。
餘部駅ホーム。エレベーターのホーム階の出口は、旧余部橋梁に接続していたかつての線路の上に出る。
ホームの端には「これより先は 空の駅です」と書かれた看板の設置された門扉と、「余部鉄橋 空の駅」と書かれた石碑が立っている。
ここから先へは急勾配の山道が続いている。おそらくエレベーターが完成する前の駅へのアクセス路だったのだろう。下れば先ほどの集落に戻れるが、少し上って展望台を目指すことにした。
余部橋梁展望台からの眺望(写真はG〇〇gleフォトによる自動加工済)。
山に向かって真っすぐに伸びる橋梁と日本海が一望できる。
展望台から撮影を続けていると、偶然にも豊岡方面に向かう電車がやってきた。
1日に10本程度しかない電車を目撃・撮影できたのは非常に幸運であったと思う。
長い坂道を下りて集落に戻る。
時刻はもうすぐ17時になろうかというところ。沈みゆく夕陽を背に、巨大な橋脚は静かに集落を見守っていた。