四国(死酷)旅行 with S【Part 1】神戸~剣山

恥ずかしながら、私は今年に入るまで国内旅行で本州を出たことが無かった。

いや、本州に近い小島などに渡ったことはあるのだが、四国や九州には行ったことが無く、北海道も今年の就活で初上陸したばかりだ。

特に四国は日本三大酷道の一つ、国道439号(通称:ヨサク)を有しており、いつか行ってみたいと思っている。

 

そんな事をスワマー氏に話したところ、

『いつ行きますか?お盆は帰省するからそれ以降ですね!』

願望はいつの間にか、確定した未来の事実に変わっていた。

 

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四国初上陸の日。

我々は神戸で待ち合わせをしていた。

 

仙台から四国へは直行便が無いため、まずは神戸空港に着陸する。そこからレンタカーに乗り込み、明石海峡を渡って四国に入る。

「神戸を通るなら」と、半ば強引にスワマー氏をある場所へ連れて行った。

その場所とは、かねてより行きたいと思っていた垂水区舞子坂の激坂である。

 

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舞子坂の激坂は勾配が34%もあり、下り方向に勾配標識が立っている。幅員は約1.5mと非常に狭いが(一応)車も走ることができる。車の走れる道に立っている標識としては恐らく日本一の数字だ。

(ちなみに東京には37%の勾配標識が存在するが、こちらは車が走ることはできない。参照:特集・坂道のどこが良いのか? - お休み処 定休日

 

撮影のため、歩いて坂を上る。

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舞子坂は住宅地であり、全体的に急峻な地形であることに加え、道路幅員が極めて狭いのが特徴である。

 

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勾配を噛みしめながら歩いていると、スワマー氏が道路の真ん中で両手を広げた。

『これは軽の幅なら行けそうですね』

え...? まさか、車で走るつもり...?

『いやいや走りましょうよー(笑)』

良いだろう。この場所に行きたいと言ったのは私だ。ならば彼の願いも叶えてやらねばなるまい。

運転席にスワマー、助手席に私が座る。電柱にぶつからないよう、側溝に落ちないよう、細心の注意を払いながら坂を上る。時に一時停止をし、時にサイドミラーをたたみながらも、なんとか無事に坂を上りきることができた。

MPを大幅に削られつつも、1人では成し得なかった目的を達成できたことに大きな喜びを覚えた。これで彼も坂の魅力に取り憑かれてくれたことだろう。

 

願いは叶った。無事に済んで一安心だ。さあ、四国へ向かおう。その時、スワマー氏が再び口を開いた。

『来た道を戻りましょう!』

来た道を戻った。

私のMPはゼロになった。

 

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 目的を一つ果たした我々は、いよいよ本命の四国へ向かう。

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明石海峡大橋を渡り淡路島へ。さらに鳴門海峡を抜け、四国には15時頃に上陸した。

 

この日は徳島県最高峰「剣山」の頂上ヒュッテに泊まることになっている。

神戸で時間を使いすぎてしまった。剣山の登山リフトは17:30に営業終了となるため、急がなければならない。

徳島自動車道・美馬ICで高速を降り、国道438号を通って剣山へ向かう。国道438号は、439号に勝るとも劣らない酷道だ。古い民家を通る狭隘区間、スピードの出せない九十九折で、距離が中々縮まらない。結局、リフト乗り場に着いたのは営業終了直前の17時頃であった。

 

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リフト乗り場から西島駅(降り場)までは15分ほどで到着する。重度の高所恐怖症でなければ山々の景色を楽しむことができる。リュックを落とさないように前向きに背負っているマヌケな姿を後ろから撮影されていた。

 

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西島駅から40分ほど歩くと、標高1955mの剣山山頂に到着する。剣山の標高は四国第2位であり、周辺より高いため日没が遅いため、なんとか日没に間に合った。

 

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しかし、霧がかかって景色がほとんど見えない。

仕方がないので、明日に備えて早めに夕食を済ませ、寝ることにした。この日の夕食は炊き込みご飯とカップスープ。山頂で宿泊するのは私にとっては初めての経験だったが、元登山部のスワマー氏は慣れた手つきで自炊をしていた。

21時前だったが久しぶりの運動で疲れたためか、すぐに眠ることができた。

 

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この日の移動ログはご覧の通り。

 

明日はいよいよ酷道439号に突入する。

 

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