原付で帰省するだけ(仙台市⇔洋野町)
わざわざ記事にする程の内容でもないのだが、Twitterでは字数制限に引っかかるので、ブログに書くことにする。
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1.往路(8月11日)
この夏、初めて原付での帰省を試みた。
仙台を朝6時に出発し、帰省先の洋野町に着いたのは夜の21時間くらい。
総走行距離は約420km。
総旅行時間は約15時間。
その間、立ち寄った道の駅の数は7箇所。
コンビニの数は2箇所。
その他4箇所の休憩地点。
最初の道の駅(道の駅 よねやま)は営業時間前。
そして最後の道の駅(道の駅 くじ)は営業時間終了後になった。
ガソリンスタンドの数は3箇所。
トータルで約9Lの給油。よって移動費は1400円くらい?
岩手県北の山の中はガソリンスタンドが少ないので、気を付けなければならない。
原付は1回の給油で100km程しか走れないので、どこで給油するかも重要な問題だ。
昼食は一関市の「虹ソラ」でラーメンをいただく。
ちなみに朝と夜はコンビニのおにぎりを1個ずつ。
国道346号(仙台市→気仙沼市)は、松島から登米までを走破。総延長128kmに対し58kmくらい走った。
国道456号(登米市→盛岡市)は、起終点は通過したのだが、途中で誤って経路を外れてしまい、一筆書きすることは叶わなかった。
今回の国道完走は281号のみという結果になった。
平庭高原で子熊らしき動物が目の前を横切ったこと以外は大きなトラブルもなく、無事洋野町に帰ってくることができた。
平庭高原のトイレで、銀河高原ビールを吸って逞しく咲き誇る薔薇を発見。
北緯40度線を越えた辺りから、日没も相まって急激に気温が下がり、ガタガタ震えながら走るハメに。
南北の移動は寒暖差がネックになると身をもって知らされた。
とりあえず疲れた。
もうやらなくていいや。
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2.帰省中(8月12~14日)
今年のお盆休みは比較的ゆっくりする事ができた気がする。
といっても地元には何もないので、した事といえば中学時代の友人と八戸にラーメンを食べに行ったことぐらいだが。
つけ麺には味玉がデフォルトで付いていることを知らず、トッピングで味玉を注文してしまった。きっと相当な卵好きだと思われただろう。
地元には何もないと言ったが、それはすなわち豊かな自然があるということだ。
折角帰ってきたので、少し自然探索をすることにした。
まずは「瀧澤大滝」。私の実家から歩いて行ける場所にある、高さ20m程の滝だ。
瀧澤大滝は神社の裏手にあり、水に触れるくらい近くへ行けるのが特徴だ。その気になれば滝行もできるだろう。
次に向かったのは、「川尻川」の河口にある水門だ。瀧澤大滝の水は最終的にここへ流れ着く。
水門は上に登ることができ、そこから太平洋が見渡せる。洋野町の海岸部には防潮堤が造られており、東日本大震災では防潮堤が津波を食い止めたため、犠牲者は出なかった。
どうでもいい人にはどうでもいい事だが、瀧澤大滝も川尻川も面白い名前だと思う。
滝があるので瀧澤という地名が付き、瀧澤にある滝だから瀧澤大滝。
川の河口付近にあるから川尻という地名が付き、川尻を流れる川だから川尻川。
きっとそういう順番で名前が付いたのだろう。
そして8月13日。
毎年この日は私の地元・大沢地区で「おおさわサマーフェスティバル」が開催される。
おおさわサマーフェスティバルは、普段は地元を離れて働いている人や学生が帰ってくるお盆に開催される、大沢地区最大のイベントである。
私自身、帰省の理由の半分以上を占めるのがこのイベントだ。
といっても地元民は運営の手伝いをやらされる運命にあるのだが。
夕方には隣の瀧澤地区に伝わる伝統芸能「瀧澤鶏舞」、夜は大沢婦人会による演芸ショーが行われる(写真はダンシングヒーローを踊る婦人会の皆さん)。
私は受付の担当を任されたので、遠くのテントから撮影した。
今年3度目のミヤマクワガタとの遭遇。(※妹の手です)
うちでは飼えないので近くにいた子供にプレゼントしました。
そして夏祭りといえば恒例の打ち上げ花火。
大都市の花火大会には敵わないが、大沢の花火は「低さ」なら他には負けないと思う。
これがおおさわサマーフェスティバル名物「降り注ぐ火の粉」だ。今年は例年にも増して低かったように感じる。
有事に備えて露骨に消防車が配備されているのも、おおさわサマーフェスティバルの特徴だ。
何もない田舎だが、地元の人や普段は会えない中学時代の同窓生に会えたのは大きな収穫だった。
なんにせよ、みんな元気そうで何よりだ。
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3.復路(8月15日)
正直、仙台には帰りたくなかった。
決して仙台が嫌いなわけではない。ただ、原付で来たからには原付で帰らなければならない。
来るときはまだいい。どれだけ辛いことか知らないから「原付で帰る」などとふざけたことを言える。
帰りは違う。仙台ー洋野間の移動がどれだけ辛いか、身体が覚えている。
仙台ー洋野間はおよそ400km。1日で400kmの原付による移動は、決して他人にはおすすめできない。人間が感じていい疲労の限度を超えている。人権侵害だ。
だが、可能か不可能かという軸で見れば、それは可能だ。
来れたのだから帰れない筈がない。簡単な理論だ。
往路は内陸を通ってきたが、復路は沿岸(主に国道45号)を通って帰ることにした。
往路と同じく朝の6時台に実家を出発したのだが、途中で温泉に入ったりゆっくり食事をしたりしていたら、仙台に着いたのは夜の11時過ぎになってしまった。
復路で立ち寄った道の駅の数は10箇所。
道の駅みやこ(1枚目)と道の駅さんりく(2枚目)で昼御飯&つまみ食い。
道の駅たのはた(1枚目)ではローカルなデザインの自動販売機を発見。岩手県のご当地ヒーロー・鉄神ガンライザーだ。
また、道の駅やまだ(2枚目)ではホヤTシャツに一目惚れしてしまい衝動買い。1着3000円。往復の移動費より高い。
道の駅たろう では、津波防潮堤を見学した。既存の防潮堤より海側に、さらに高い防潮堤を建設している。
道の駅大谷海岸(1枚目)と道の駅三滝堂 に展示されている津波で損傷した国道標識(2枚目)。
復路の旅程では、震災の爪痕と復興の過程を見ることになった。岩手県内に関しては、やはり南の方が復興が遅れているという印象を受けた。特に陸前高田は(以前も来たことがあったが)未だ更地が多く残されており、これからが本番という感じだった。
そして最後に、石巻にある道の駅 上品の郷 で「ふたごの湯」に入浴。以前訪れたことがあるのだが、その時は改修か何かで温泉に入ることができず、リベンジを誓った所だ。
なんとか営業時間内に辿り着くことができてよかった。
出発時と到着時のオドメーター。差し引きで415km走行したことが分かる。
そして、今回のトリップで総走行距離が2万kmを超えた。
原付としてはベテランの域だと思う。
私がこの原付に乗れるのは残り半年くらいだが、それまでは相棒として共に戦い、そして思い出を積み重ねていきたい。
とりあえず今回は本当に疲れた。
もう勘弁してください。