旧・国道343号「笹ノ田峠」に行ってきた(2018年1月8日)
こんにちは。定休日です。
前回の酸ヶ湯・階段国道編では、青森県民の方々から「何故この時期に行こうと思ったのか」「頭がおかしいのではないか」などといったお褒めの言葉を頂きました。
酸ヶ湯温泉・階段国道を目指してきた(2017年12月28日) - お休み処 定休日
あの辺はやっぱり冬にこそ行くべき場所だと思うんですよね。
まあ結局雪に阻まれて辿り着けなかったんですが、、、。
さて、今回の目的地は岩手県です。
唐突ですが、岩手県内の国道は、宮城県や福島県と比べるとよく整備されていると思います。
それはそれでとても良いことなのですが、
岩手にもオモシロい道はないかしら...。
そんな良からぬことを考えながらGoogleマップを眺めていると…
こ、これは...!
なかなかにオモシロそうな国道を発見。
こちらは、一関市と陸前高田市を結ぶ、国道343号です。
1kmちょっとの峠道に、巨大なループ橋、旧道、180度曲がるトンネルと、とても魅力的な要素が凝縮されています。
というわけで、成人の日の祝日を利用し、友人の車を借りて行ってきました。
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当日の天気は曇り。
寝坊して10時過ぎに仙台を出ましたが、一般道を通って正午頃には岩手県に入りました。
一関側から目的地に向かいます。
目的地へは国道4号から県道19号に入り、そのまま真っすぐ走っていれば国道343号に入るので、さほど道には迷いませんでした。
舟下りが有名な「猊鼻渓(げいびけい)」で少し休憩。
国道343号に突入すると、民家も少なくなり、いよいよ峠道の様相を呈してきます。
カーブの多い峠道を登っていくと長いトンネルがあり、それを抜けると登りから下りに転じます。
どうやらトンネルの中で峠を越えていたようです。
さらに少し走ると、巨大なループ橋が姿を現しました。
ループは「笹ノ田大橋」「ハタゴロバ橋」「下標示合橋」という3つの橋から構成されており、直径は約170mほどあります。
あまりにもスケールが大きく、ループ全体を1枚の写真に収めきれません。
スイングパノラマは私が使うと何故か歪んでしまいます。
ループ橋を抜けると、間もなく180度曲がるトンネル「尼堤トンネル」が姿を現します。
ここからは車を降り、陸前高田側から歩いて一関側へ向かいます。
人の気配はありませんが、ちゃんと歩道も整備されており歩いて通ることができます。
余談ですが、トンネルの中を歩く時は車の走行音が結構怖かったです。
しかも曲率が大きいため、音は聞こえてもなかなか車は見えません。
トンネルを抜けると、右手側に旧道の入口があります。
旧道は現道のトンネルの上を通ります。
トンネル入口の真上から新道を見下ろすことができます。楽しい。
そして旧道では、こんな珍しいものを見つけました。
教習所以来の「警笛鳴らせ」の標識。
公道でこれを見たのは初めてです。
道路の線形が改良され、見通しが良くなるにつれ、この標識は撤廃されてゆきます。
新道ができた今、警笛を鳴らす車はもういません。
錆びた標識は、静かに道の寿命を告げるかのようでした。
自然に還る寸前、そこがかつて道だったことが辛うじて分かる状態が筆者は好きなのですが、何が良いのかと聞かれるとまだ上手く答えられません。
獣の足跡を見ると急に怖くなります。
道路のダイイングメッセージ。
錆びてミラーの落ちたポールには、蔦が巻き付いていました。
下は新道。こうして見ると曲線が美しい道です。
今にも崩れそうなガードレール。
落石注意。
いつの時代の投棄物でしょうか。
崖から崩れ落ちる土砂で道が塞がっていました。
ここまで来て引き返すしかないのか?と思ったら、壁の裏側は普通に通れました。
狭い通路を抜けると、そこには、、、
ついに姿を現しました。ループ橋の全景です。
終わってみれば呆気ないのですが、初めて通る道、それも自然に還りつつある旧道。
横たわる倒木、雪に埋まる道、獣の足跡、土砂崩れなど、不安だらけの旅路だっただけに、ここまで辿り着いたときは感無量でした。
旧道の出口はループ手前の道路に接続しています。
旧道自体はさらに先まで続いていますが、ここで現道に戻り、今度は歩いてループ橋を渡ります。
橋の上から。
橋の途中に一関市と陸前高田市の市境があり、ループしながら2回市境を越えるのも地味にポイント高いです。
新道からだと手前の木が邪魔してうまく全景を収められません。
橋脚はこの迫力。
土木って凄い、、、。
素直にそう思いました。
最後に、
「ミートレストラン格之進」岩手県一関市:店舗 | 熟成肉の格之進
一関に住む友人にハンバーグをおごってもらいました。感謝。
一関は思っていた以上に都会でしたね。
少し足を延ばせば平泉や栗駒山などもあり、観光の拠点としても最適だと思います。
それでは、また会う日まで。